美容カウンセラーという職種の問題点①

近年の美容医療業界において、カウンセラー制度が導入されているクリニックが多く存在しますが、この制度は10年以上前から問題視されることがありました。具体的には、医師ではなくカウンセラーが患者に治療の説明やカウンセリングを行うケースがあり、これが医療行為における説明責任や治療の安全性に関する疑念を引き起こしていました。

カウンセラー制度の導入は商業的な側面もありますが、美容カウンセラーという職種の誕生の背景には、自由診療の診察をしたことがない医師の知識不足や、特に保険診療が長い医師は、病気ではない患者様の個人的主観と仕上がりに対しての大きな期待、認識の相違をコミュニケーションで解決が出来ないケースが多かったことも要因の一つです。今では口下手な医師のサポート役ではなく営業力のない医師のカウンセリングは不要、カウンセラーが契約まで持ち込む違法行為が横行し、トラブルが多発しています。

カウンセラー制度の問題点

医師による説明不足: 医師が直接患者に治療内容やリスクを詳しく説明せず、カウンセラーがその役割を担うことがありました。このような場合、医師の知識や経験に基づく説明が不十分になり、患者が適切な情報を得られないリスクがありました。

利益優先のカウンセリング: 一部のクリニックでは、カウンセラーが売上や契約を優先し、高額な治療を勧めることが指摘されていました。このため、患者にとって最善ではない治療が推奨される可能性もありました。

インフォームドコンセントの欠如: 患者が治療に対する十分な理解と納得のもとに同意するインフォームドコンセントのプロセスが不十分になるリスクがありました。カウンセラーが医療知識を十分に持たない場合、治療リスクや期待される効果について適切に説明できないことが問題でした。

改善への動き

このような問題を受け、近年では多くの美容クリニックがカウンセラー制度の見直しを進め、以下のような改善が行われています。

医師による直接説明の義務化: 患者が治療を受ける前に、必ず医師が直接説明を行うことを義務付けるクリニックが増えています。これにより、医療行為に関する正確な情報が提供されることが確保されています。カウンセラーの教育と資格制度の強化: カウンセラーが医療に関する正しい知識を持つよう、教育制度や資格制度が整備されてきています。こうした改善により、カウンセリング制度がより患者の安全を重視する方向へとシフトしています。